ビジネスモデル

オンライン中国語教室の「iChina」が10年の営業に幕を閉じサービス終了

iChinaさんには中国語学習でお世話になりました

しかしながら、サービスを取り巻く現在の市場環境や技術的な運用課題、
今後の事業方針など、様々な要因をふまえて総合的に検討した結果、
これ以上の継続が難しいと判断し、2019年6月30日をもちまして、
サービスを終了することにいたしました。

個人的にお世話になったiChinaさんがサービス終了というお知らせを受けました。iChinaさんはオンライン中国語教室を運営されている会社です。

私も中国留学中にこのサービスを使いました。そういえば「ネトチャイ」さんも使っていましたね。日中は通常の授業や友人とジムに通うなどして、帰宅後毎日30分週7回中国語を勉強していました。

オンライン中国語教室は役に立ったのか?

iChinaさんをフル活用したので結果として「役に立った」訳ですが、この背景にある話がちょっと面白いと思いますので語りたいと思います。

語学は留学前に日本で学ぶときに勉強するものだと思いませんか?現地に語学留学してもいいのですがお金がかかるのでそう簡単にはできませんよね。

私の場合は先に中国の大学へ修士課程進学が決まっており、1年間ほぼマンツーマンでレッスンを受け、日本でHSK5級を取っていざ中国留学したものの全く聞き取れませんでした。

日中は正規の学生として講義を受けるため、中国人や他の留学生と中国語で話す機会があるのですが、何を言ってるかもわかりませんし、自分も伝えられず歯がゆい思いでした。

そこで、中国にいながら日本人向けオンライン中国語スクールを探し、iChinaさんを見つけて中国からスカイプをつないで半年くらい受講したのです。

先生にも「中国にいるなら周りの人と話せばいいじゃん」と言われました。確かにそうなんですよね(笑)でも日中は既に周りの人と話してはいたんです。

じゃあなぜあえてお金を払って中国語を勉強したのか。それは会話をすることに加えて語学を学習する必要があったからです。

例えば日常会話として「今日は寒いね」とか「日本のドラマしってる?」とかそういった話なら慣れる訓練をするのが早いです。

一方で論文を読んだり書いたりするためには、文法や正確な表現を覚える必要があります。すると、教科書が必要ですし、先生に「直してもらう」ということが大事になってきます。

教科書通り勉強するのはつまらないです。しかし言葉を「話せる」というステップの上に、さらに「その言葉を使いこなす」ためには、「体系立てて学ぶ」ということがどうしても必要になると感じたからこそあえてオンライン語学教室を使いました。

そうした力は現地で中国人に混じって授業を受けたり、議論した経験も力になっているとは思いますが、留学生寮に帰ってから中国語を「勉強した」意味はあったと思います。

この甲斐あってか結果的に中国語で論文を書いて修士課程を修了できたので、終わりよければすべてよしとしたいと思います。

中国に興味があれば中国留学してから勉強すればいい

話はそれてしまいますが、中国は私にとって人生を変えた存在でした。

高校生だった、2005年小泉元首相の靖国参拝などの影響で中国で「反日デモ」がありました。そして、2010年には尖閣諸島中国漁船衝突事件というのがありました。なんにも考えてなかった私ですがそのニュースをみて「中国というのはどんな国なんだろう」と思わずにいられなかったんです。

大学の交換留学でもできればよかったのですが、その当時は成績も悪く、意欲も無かったので諦めてしまいました。しかし、転機あってますます「中国に行きたい」と思うようになり、いろんな方法を模索して中国留学するに至ったのです。

留学という話をすると「やはり中国語ができないと中国留学はできないのか」と思ってしまう方もいるかと思いますが、中国の大学はかなり国際化が進んでいるので、有名な大学であれば英語コースがあります。

それに、現地の学生も優秀なので基本的には英語が通じます。すると実は大変なことはあまり多くなく、日常会話レベルの中国語でできればある程度不便なく勉学することだってできるのです。

そういうことである程度中国語に親しんだら、気楽に中国留学をして頂ければいいなと思います。

オンライン語学教室というビジネスモデルはレッドオーシャン化

さて、今回のニュースをビジネス的な視点で見るとどうなるでしょうか。

オンライン語学教室は10年くらい前にはたけのこのようにサービスが現れていました。当然一番学びたい人の多い英語は激戦です。レアジョブさんは上場しましたし、大手のDMMさんも参入しています。

一方でオンライン中国語教室まだまだメジャーな語学というわけでもないということもあり、受講者数で言えば英語に比べると10分の1くらいなのではないかなと思います。

こうしたオンライン語学教室のビジネスモデルは基本的には、「先生に支払う給与と日本人利用者が払う金額の間に生まれる価値の差」から生まれます。

フィリピンや中国の物価は日本の3分の1程度とすると。一コマ30分500円でも現地の物価に換算して日本人の「時給3000円」と考えればおいしい仕事となります。

中国は急速な経済発展もあって物価が日本の2分の1程度まで縮まっていると思います。すると1コマ500円ではあまり魅力が無くなってきているはずです。

その一方で日本はデフレかつ競争もあるので、値上げをすると他の業者に顧客を取られてしまいます。

このダブル・バインド的状態を脱するには、

  1. 利益率が落ちても規模の利益を追求する
  2. 高付加価値サービスを提供する

この2つが考えられます。人員さえ拡大すれば多少利幅が少なくなっても、売上としては伸びる可能性があります。営業マンが少なければ投入すれば売上がのびるという単純な形です。

ただ、これは会計上「原価」ということになる先生の給与が上昇している中国では先延ばしをしているだけで根本的な解決にはなりません。

そこで2の「高付加価値サービス提供」を模索すると思います。

オンライン語学教室では「カランメソッド」など最新の学習法を導入することで単価を上げている会社さんもあるようですが、中国語に限って言えばそもそもこうしたメソッドがありません。こういった状況も競争を激化させる要因だったのではないでしょうか。

例えば今流行しているSaaS(Software as a Service)という形であれば、当初は費用がかかりますがサービスを提供するために一人あたり増えるコストが次第に低減していくモデルです。

この場合、サービス完成からは営業に力を入れることで次第に規模の経済が働きます。しかし、オンライン語学教室は利用者数に対して先生人員を増やす必要があります。

このモデルの場合は、利用者が増えればその分コストも増えるわけで、長期的にコストが上昇傾向にある場合は当然利益を失っていきます。市場全体で見れば競争が増えていくと資本力のある大手の会社に収斂していきやすい業態といえます。

今回のiChinaさんは個人的に利用させていただいていたので心より「お世話になりました」とお伝えしたいと思います。そして私もいづれ中国に関連するビジネスに貢献できればいいなと思うのでした。