大学生のうちにやっておきたかったことという文章を書きました。
結論として、大学生のうちにやって無駄なことは何ひとつもないということでした。
大学生で身につけるべきは社会人として働くための準備などではなくて、
自分自身と向き合う時間、自分探しをやり尽くすことだと思ってます。
斜めに構えている時間があったら、行ってみる。
迷ってたら、やってみる。
わからなかったら、聞いてみる。
それでも、自分が学生のうちにやってよかったことというのはあります。
ただし、それが単純に幸せにつながるかと言うと絶対にそうではない。
あくまで、自分の中で一皮むけたかもしれないと今思えるくらいには、
やっておいてよかったこと。やっておいて損がなかったことという程度のものです。
海外留学したいなら短期でも意味がある
少しでも海外留学したいと思う気持ちがあるのなら、
「短期留学は意味ないよ」という言葉を気にして迷うよりも行ったほうが良いと思います。
どういう趣旨で短期留学が意味ないと言っているのかわかりませんが、
「語学の力を身に着けたい」というだけであれば日本で勉強すれば良いんです。
留学するというのはたとえ語学留学と称していたとしても、
その国の人と関わったり、旅行したり、文化や社会に触れて揉まれることです。
短期留学だろうが行ったことあるほうが断然その国のことが分かります。
なにより、行ったこと無いよりも自分の中でその国のイメージができます。
私は実は短期留学というのはしたことがありません。
学部時代の海外経験はHISで行ったイタリア旅行と、ゼミの中国研修だけでした。
海外を語るにはちょっとネタ不足というか、国際的ではなかったんですね。
しかし、一念発起して大学院留学して約2年半、学位を取れるまでにはなりました。
もちろん順風満帆の留学生活ではなく、
つらいこともありましたが笑って話せる日が来ると信じて、机に向かっていました。
でも、帰国して自信がなかった自分の中で自身が持てたことが一番の宝物です。
留学は滞在期間に比例して語学や理解は確かに深まると思いますが、
人間性というのはそう変わりません。
だったら、短期間だろうが自分が行ってみたいと思った国で、
めいいっぱい人間的に学びを得て、吸収成長すればいいだけの話です。
私の友人も短期留学しかしてませんが、そこで経験したエピソードを熱く語り、
某総合商社に入社し現在はその国に駐在するまでになりました。
短期留学だろうが学位留学だろうがその人の中で強い思いになれば、
人には伝わるものなのだと思います。
奨学金にバイトで精一杯、お金が無くて行けないなら、
日本国内で外国人となるべく出会えるように頑張った経験、ガイドした経験とか、
そういう話をすれば、色んな人にまた別の軸で評価されるかもしれません。
就職を気にして短期留学では意味ないよという人がいるのかもしれませんが、
何もしてこない人よりは遥かに行動力があると思いますよ。
留学したいならまず行ってみる。そこで学んだことは勉強だけじゃなくていい。
恋愛や友人、命がけの経験、そうじゃなくてもちょっとした会話やふれあい、
そういう自分の心に刺さる場面をしっかりと咀嚼して、大切にすることです。
簿記検定3級の勉強をしたことは良かった
卒業後、大きな会計事務所でコンサルタントとして働いていたことがあります。
そんな私は入社した時、簿記検定3級すら持っていませんでした。
それでも内定を頂いたので学生時代に少しだけ勉強しようと思ったのがこの資格です。
私は資格勉強で手に入る知識は非常に重視しますが、
資格自体には法律的なライセンスや人に一目置かれたいときに使うもので、
それを仕事にするルーチンワーカーになることには全く興味がありません。
簿記検定は2級を持っていると一般的には「そこそこできるな」と思われます。
経理の採用では簿記検定2級を要件にしているところが多いと思います。
しかし、2級の範囲である工業簿記が必要な会社は製造業であり、
都会で働くほとんどのサラリーマンには必要ない知識です。
つまり、余計な時間を半分は使わなくてはならないということになります。
ということで、私は簿記は3級までで十分だと考えています。
もちろん「経理を仕事にするならそのくらいできるくらいの勉強をしておきなさい」
という意味合いにおいては納得できるところがありますが、
そこまで苦労して簿記2級を勉強するくらいなら、もっと他のことをやったほうがいい。
つまり、会社で活躍したいならそもそも資格より、
大学で学ぶ内容や、その会社に入社するための自分磨きを頑張ったほうがいいと思います。
会計事務所や経理の仕事をするのであれば確かに会計用語に慣れていたほうが、
お客さんとの会話がスムーズになりますし、OMとかPLとかLIFOとか英語の略語に、
慣れておくとちょっとだけ導入がしやすいという程度のものです。
仕事をしながら学べることのほうが多いので、とりあえず学生時代には簿記の仕組み、
会社の業績管理に使う会計数字の作り方くらいイメージできるといいと思います。
人を好きになろうとしたり恋をしてよかった
私は「オレンジデイズ」というドラマを見て大学生に憧れました。
そして、「ドラゴン桜」というドラマを見て東大を目指して勉強しました。
結果的にどちらも見ておいてよかったと思います。
結果として別の大学に進学したため「東大に入れてよかった」
という話にはならないのですが、ここでは恋をしてよかったというお話をします。
そうはいっても、大学時代に大恋愛をしたなんてことはありません。
むしろ、4年間を徒然と漫然と過ごしているうちに、恋愛をするという経験も、
ろくにできないまま卒業を迎えてしまったというのが実際のところです。
それでも、慣れないなりに女性をデートに誘ってみたりしたことは良かったです。
今となっては「人間ってやっぱり好きになる瞬間があるんだな」と自然に思えるのですが、
当時は斜に構えていたので「好き」という感覚が全くわからなかったのです。
今思えば周りの友達が恋人を作っているのを見て、
「自分もそうしないと」と思っていただけで、その人のことが純粋に好きだから、
お付き合いをしようという感情があったかと言うとそうではなかったような気がします。
そういうことをいうとだいぶひどいやつのように思われるかもしれませんが、
当時はそれなりに「これが恋かもしれない」と思っていたような気もします。
自分なりにその時の感情をどう解釈するか模索していたのかもしれません。
恋愛ベタだったのできっと女性の好きな男性のような振る舞いはできてませんでしたが、
そういう経験も今思い出すと恥ずかしいとは思いつつ、ようやく成長したなと実感します。
自然に人と関われる人にとっては「こいつ何言ってるんだろう」と思われそうですが、
私なりに大学時代に恋をしたかもしれないと思えた経験があることは、
きっと少しずつ人間性を取り戻しつつある今につながっていると信じています。
いろんなコミュニティーに顔だして良かった
私は自分ではコミュ障だと思ってます。
すぐに緊張するので、喉からからになってしまいます。
そんな私でも振り返るといろんなコミュニティーとそれなりに良い関係を作ってました。
まず、学科の友達、サークル、ゼミ、バイト、ニコ動のオフ会、高校の友達、中学の友達、
インターンの仲間、留学したときの友達、それらの友達の友達などなど。
国内外に大学時代に関わった人間の幅で言えばそれなりに広い関係があったと思います。
根がコミュ障なのでその後のフォローができておらず申し訳ないのですが、
「あのときの彼はどうしているかな」と思い出したりする程度には昔を偲んでます。
大学生だとだいたい周囲の人は「同じ社会階層にいる学生」になります。
大学自体、お金があり勉強ができる人の集まりで、その中で偏差値でランク分けされる、
極めてかなり偏った集団であるということは意識してください。
現実には同学年のうち大学進学している人は6割程度、4割は高卒、専門卒です。
大卒の人は友人にこうした人がいないという人は意外と多いと思います。
だから、オフ会や子供の頃の友達と話す機会があると人生の幅に広がりが出ます。
ランダムな集団が集まりやすい趣味のサークルやオフ会はものすごくハードル高いですが、
意外とそういうところに来る人は社交的なのでうまい具合に仲良くなれたりしますよ。
特に同じ嗜好を持つ人と話すととても気持ちいですよね。
社会人になっても肩書や大学に縛られずそれだけに没頭できるコミュニティーというのは、
一つくらい持っておくとものすごく居心地良く感じます。
これまでに一度も縁のなかったことを意識してする
これまで、海外留学、簿記3級、恋愛、コミュニティー参加の4つを挙げました。
ただ、別にこれをしなければ大学生活が無駄になるというわけではありません。
大事なことは大学生活という時間で、10年後全く記憶に残らないことをするより、
「あの時の経験、感情は今でも忘れられないな」と思えるようなことをすることです。
それは成功だったり、失敗だったり、無謀なことだったりするかもしれません。
友人のかっこいいバイクにあこがれて始めた旅だったり、
激安海外旅行だったり、先輩に言われて参加したバイトだったり、
ゲームが好きならクランに参加したり、サーバーで1位を取ってみたり色々ありえる。
いつもとちょっと違った視点でやってこなかったことをやってみる。
すると新しい人と出会い、そこから生まれることというのは新しい刺激になります。
自分一人でできなければとりあえず声をかけて一緒にやってみる。
それでも誰も乗ってこなければ一人でやってしまう。その経験談を聞いた人が、
「面白そうだな」と思って次は参加してくれるかもしれません。
クリエイターとルーチンワーカーの話をするなら、世の中の99.9%の人間は、
必ずルーチンワーカーになります。自分ではクリエイティブだと思っててもそうです。
別にクリエイティブになる必要は無いのですが、せっかく生きているからには、
自由を思いっきり感じられる喜びと苦しみを経験するのもありだと思います。
大学生活というのはそういう喜びと苦しみを経験する貴重な時間になりえます。
勉強してみて、違うと思ったら専攻を変えてしまえばいいんです。
卒論の内容も自由に決められるんです。でもほとんどの学生は考える力がないので、
先生が助言したり、アイデアを出してそれに基づいて実験をしたりせざるを得ないのです。
全ては自分の考える力に結びつくと思えば、この自由な時間こそが重要です。
責任なく行動によって新しい刺激や学びを手に入れられる貴重な時間です。
せっかくですから1年に一つは自分には全く縁がないと思ってたことや、
友達の強引な誘いに乗ってみることも貴重な経験につながるかもしれません。
彼女や彼氏を紹介するのは難しいことですが、それでも友達なら考えてくれるはずです。
もしかしたら次回の合コンにも誘ってくれるかもしれません。
人の気持ちを慮る必要はほとんどないのです。とにかくすべてを楽しめるといいですね。
もし、「思ってたより大学つまらないな」と思うのであれば、
それが学んでいる内容に起因するのか、自分が世間を知らなさすぎることに起因するのか、
やめる選択をする前に課題を意識して、新しい執念を見つけたら突き進んでください。