Health

僕がコロナウイルスに関する情報発信を少しばかりでもする理由

科学教育を受けた人間だからこそ冷静に発信したい

それは「おごり」なのかもしれない。
もしかすると誤ったことを主張するかもしれない。
それでも、一介の研究者を目指した人間としてできるだけのことはしたい。

専門家は説明するときに科学的な厳密性を優先する。
政治家は説明するときに感情を優先する。

今回の新型コロナウイルスに関して僕も含めて、
全員が加熱しすぎていることは言うまでもないだろう。

今は「なぜイタリアではあれ程の死者が出たのか」考えるより先に、
どうしたら、感染を収束させ、医療が崩壊しないかを考え、行動すべきなのだ。

専門家もみんなも考えるより行動しなければ何も変わらない。

市井の人間が新型コロナウイルスに関する情報を発信することほど怖いことはない。
多くは良心で発信しているけれど、そういう人の心をもてあそぶ輩も少なくないからだ。

昨日、流行ったチェーンメールの類もほとんどの人は良心からだろうし、
「自分は先に知った」という優越感からも積極的に広めたものだろう。

繰り返すが僕は市井の人間で専門家ではない。

しかし、税金を使って、親の資産を使って高等教育を受けてきた人間だ。
できるだけ正確性の高い情報を取捨選択する力は研究で培ってきた。

もちろん、科学の限界も知っているし、100%正しいことはない。
専門家ではない僕が主張することも勘違い甚だしいと思う。

それでも人々が不安に怯えて、パニックになり、全員が最悪の事態になるより、
専門家の声をもっと沢山のひとに届けて、安心や、不安を取り除けたらと思う。

ポーカーでも今の時点での最善を取り続ければ最後には勝てるかもしれない。
相手の手札を読むよりも、相手が出してくるサインを見逃さないことが大切だ。

それは今回なら報告されてきている事例だったり、ウイルスの構造だったりする。
こうしたものは専門家の議論によって次第に正しい方向に収束していくが、
現時点ではなるべく速報性をあげて、曲解されない程度に情報をまとめることも大切だ。

特にマイノリティだけれども確かに不安が多い人達に向けた情報発信は少ない。
妊婦や手術中、元々病弱な人にとっては不安も大きい。

こうした、小さい声を拾うために研究者を目指した一介の人間として論文を読み、
情報をまとめることくらいはしてもいいのではないかと考えている。

結果を解釈できるだけの知性を持つ人間であれば有効に活用してもらえるだろうし、
そうでなくても沢山の人に安心してもらえれば本望だと思う。

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