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【起業家基礎知識】ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルは未上場のベンチャー企業に投資するファンド

ベンチャーキャピタルとは未上場のベンチャー企業の株式を引き取り、その対価としてバリエーションに応じた資金を提供する投資ファンドです。

ここでのベンチャー企業とは「急成長を目指し、短い期間で上場もしくは売却を目指す企業」を指しています。アメリカやシリコンバレーではこれを「スタートアップ」と呼びます。

ベンチャーキャピタルの目利き役がベンチャーキャピタリスト

ベンチャーキャピタルで投資先の選定や出資に携わる人をベンチャーキャピタリストと呼びます。ベンチャーキャピタリストは日々、未上場のベンチャー企業を探し、成長が見込める有望な企業を見つけ出し、資金提供を行います。

ベンチャーキャピタリストには、出資者(大企業や金融機関)からの資金を募ったり、外部で講演会やメディア露出をすることでベンチャーキャピタルの評判を高める仕事をするパートナーと、ベンチャー企業へのアプローチや既存のファンド運用に関する管理業務に携わるアソシエイトと呼ばれる役割があります。

ファンドの規模によってその役割は明確に分担されていないこともありますが、ベンチャーキャピタルとして目標を持って活動している以上、有望なベンチャー企業をいかに探して、出資させてもらうかは全員の仕事であると言えるでしょう。

ファンドの性格上一定の期間で資金を回収する投資家である

ベンチャーキャピタルは一般的には外部から資金を募る投資ファンドであるため、一定の期間で出資者に利益を配分する必要があります。

例えば、この記事における「ジェネシア・ベンチャーズ」は投資事業有限責任組合を組成する取りまとめを担当するベンチャーキャピタルです。この取りまとめ役をゼネラル・パートナー(GP)と呼びます。

ジェネシア・ベンチャーズがシード・アーリーに特化した80億円規模の2号ファンド組成へ
https://jp.techcrunch.com/2018/12/23/genesia-ventures-second-fund/

そしてこのファンドへの資金の出し手として参加している企業をリミテッドパートナー(LP)と呼びます。

このLPには大企業や金融機関等が、それぞれが手元に抱える余剰資金であったり、戦略的な投資の一環としてこうしたベンチャーキャピタルに分散投資するために参加します。

ファンドの運用期間はそれぞれ異なりますが、一般的には3年から10年程度となります。

ベンチャーキャピタルと似ているベンチャー投資家の種類

同じくベンチャー企業への出資を行う投資家であっても、そのファンドや出資者の目的が異なることがあります。

例えば「エンジェル投資家」は個人の資金を出資する投資家であり、ベンチャーキャピタルと同様にベンチャー企業の上場もしくは売却を目指しますが、あくまで個人資金を用いるためその投資ポリシーは人それぞれです。

またコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)という形態もあります。

コーポレートベンチャーキャピタルとは事業会社がその企業の戦略目的のために運用するファンド形態です。一般的にはベンチャーキャピタルよりも事業シナジーやオープン・イノベーションを目的にしているため、必ずしも投資回収期間や収益率に固執しない運営方針を持っている傾向があります。

ベンチャーキャピタルの金融面の役割とベンチャー企業の期待

ベンチャー企業への投資はハイリスク・ハイリターン

ベンチャー企業への投資は不確実性が高く、一般的にハイリスク・ハイリターンと言われます。これはつまり、ハイリスクな投資である以上、高い投資収益率を求められるという意味でもあります。

つまり、ベンチャー企業としても少なくともM&A、可能であれば上場できるビジネスモデルを持っている必要があります。

医薬品等のバイオベンチャーについては製品の実現が人類の命に直結することから、単なる投資ではなく高い理念に基づいた社会貢献性の高いベンチャーキャピタルである必要性がありますが、開発中の製品が完成し、政府機関からの認可が取れれば、必要な医薬品として莫大な利益を上げることができます。

この意味においては、テック系のベンチャーキャピタルであろうとバイオ系のベンチャーキャピタルであろうと最終的には投資回収ができることが目的であり、できるだけ多くの有望なベンチャー企業に投資することで、1つでも大きな利益を上げることができればすべての投資が回収できることを期待しています。

ベンチャーキャピタルがベンチャー企業から期待される役割

ベンチャー企業家がベンチャーキャピタルに期待することには以下の3つがあります。

  1. 資金提供
  2. 人脈提供・採用活動支援
  3. マーケティング・KPI助言

資金提供は一番重要な役割ですが、ベンチャーキャピタルが乱立する現在においてむしろ有望なベンチャー企業はベンチャーキャピタルを選ぶことができます。

二番目にベンチャーキャピタルのキャピタリストやLP出資者のつながりを使って、販売網を拡大したり、管理職やCXOの採用を行いたいという希望があります。

現実にはこの人脈提供や紹介はあまり有効に機能しないことも多いようです。ベンチャー企業が思ったよりもそうした企業に直結するコネクションを持っていないという話をよく聞きます。

効率性の観点からは当然ですが、ハンズオンで支援していただけるVCはあまり多くありません。しかし、頼りすぎるのもまた問題です。「今自分の会社には何が必要か」を明確にした上で、ご縁があるベンチャーキャピタルが見つかったときは本当に嬉しいと思います。

人材採用は人材紹介会社の信頼できるヘッドハンターも人材を紹介してくれるでしょう。

また、マーケティング・KPIの設定に関しては社内に専門人材がいないフェーズにおいていい助言になります。社内に専門人材がいない段階というのは概してKPIが設定できるほど明確なビジネスモデルが確立していないフェーズであることが一般的です。

無理な数値目標を掲げて、それを達成することに注力しすぎたあまり、本来提供できるはずの価値から離れていかないように注意しながら、社内で検討できる人材を創業者を含めて検討できる体制を整えたほうが良いでしょう。

投資先企業の選定は困難だが実績のあるキャピタリストが強い理由

ベンチャー企業への投資とその目利きは非常に難しく、キャリアのあるベンチャーキャピタリストであったとしてもそれがその人の実績なのか、偶然なのか判断することは難しいです。

しかし、ベンチャー企業家としても有名で実績があると考えられるベンチャーキャピタリストに投資してもらうことが次回のラウンドにとっても有利に働くため、やはり実績のあるベンチャーキャピタリストが求められる傾向があります。

ベンチャーキャピタルから出資や投資を受けるには

ベンチャーキャピタル好みのビジネスモデルであること

ベンチャーキャピタルは「ホームラン級のあたり」を探しています。

つまり、これまでに見たことのないようなクレイジーなビジネスに投資しますが、既存のビジネスにあるような企業には投資しません。

  1. クレイジーなビジネスアイデアに投資(基本ホームラン狙い)
  2. 投資回収は基本的に3年〜10年
  3. エグジット(M&Aもしくは上場)を求める

ベンチャーキャピタルは「基本的にすでにある程度のユーザーが付いているベンチャー企業に対してさらなる成長のための資金の出し手となる」ことが多いので、エンジェル投資家からの投資を受けていたり、トラクション(実績)ができているベンチャー企業には喜んで投資を行います。

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ベンチャーキャピタルから出資を受けている起業家に紹介してもらう

ベンチャーキャピタルの探し方として自分で調べるのも1つですが、会社のWebページや、新聞や雑誌の取材等があればすぐに「話を聞かせてほしい」という連絡をとって来ます。

特にアクセラレータープログラムやインキュベーションプログラムに参加した場合は、最終日などに投資家に向けたピッチ(プレゼンテーション)を行うことが一般的なので、そこで企業を知った投資家が後々連絡をくれることがあります。

もし、特にそういったアクションがない場合はまずはプロダクトをデモ段階でも構わないので完成させ、できればユーザーからの声や実績(利用回数、金額、アクセス数など)をまとめます。

ベンチャーキャピタルは既存の投資先からの紹介ということであれば一度は話を聞いてもらえるでしょう。その際は、可能な限りホームランを狙っていることをアピールすべきですし、魅力的に見えるようなスライドを用意すべきです。

ベンチャーキャピタリストは断る天才なので楽観的になりすぎない

基本的にベンチャーキャピタリストは連絡をくれる起業家を無下にはしません。それは、もしかすると将来投資するチャンスがあるかもしれないからです。

だから、気をつけておかなくてはならないのは起業家としてはベンチャーキャピタリストがどんなにべた褒めしたとしても、資金が銀行口座に振り込まれるまでは安心できないということです。

この点は以前、アメリカの著名なベンチャーキャピタリストから、信義則としてベンチャーキャピタリストはそのオファーを断るのであれば、起業家にはしっかりと断るべきだと主張していますが、結論を曖昧にするキャピタリストも存在します。

あのAirbnbも徹底的に著名なベンチャーキャピタリストに断られています。

こんにちは、ブライアン。
返信が遅れたことを申し訳なく思う。社内で君たちの取り組むビジネスについて話したのだが、投資という観点から見ると、残念ながら今回は投資するいい機会だという結論に至らなかった。潜在的なマーケットが十分な大きさにみえなかったからだ。

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その後も断られ続けてますが、別の投資家は投資できないという判断をした上で、ちゃっかりこんなことを言っています。

もしシリーズAの投資を受けるような段階に来たら、我々に連絡して下さい。その時に君たちのビジネス内容について検討しましょう。

これらはアメリカのベンチャーキャピタリストからの返信ですが、ほぼ全員がしっかりと断るべきは断ることを明確にしています。この点は残念だはありますが、自分とは縁がないということが明確で良いところです。

日本の場合は文化的により曖昧にする傾向があります。ベンチャーキャピタリストの方とお話する際は、まず信頼できる人かどうか、そして今後も付き合いをお願いしたい方かどうかを見極めるようにしましょう。

ベンチャーキャピタルとは|まとめ

ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタリストとは

ベンチャーキャピタルに類似するファンド

ベンチャーキャピタルから資金調達をするには

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