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自分が起業家でありエンジェル投資家でもあるべきだと思う理由

起業家は時代の大きな流れを掴み、実現のためのアイデアを出す仕事

時折「なぜ起業をしたいと思ったの?」とても本質的な質問を投げかけられられます。

自分一人でできないことがあるので会社にするのだと思っています。自分の思いを仕組み化することで、自分が死んだあとも新しい価値を作り続けられる会社ができるはずです。

確かに起業というとお金をモチベーションにしていると思うかもしれません。サラリーマンの年収をを超えるくらい稼ぎたいなら、確かに起業することが一つの方法になります。ただし、私がお金を求めているかと言うとそうではありません。

大学生の頃、デジタルマーケティングの会社のインターンの面接で「音楽のための財団をやりたい」と発言し、その根拠やプロセスについては全く考えておらず、見事に不合格だったことがあります。

財団を運営するためにはまとまった資金が必要です。そのために起業するという選択肢を考えたのが一番最初のきっかけでした。今となってはそれが理由ではありませんが、こういった非営利活動を継続的に行うためにも、自分だけでは実現し得ないことを仕組みとして作り上げることができれば実現可能になるという答えに尽きるのではないでしょうか。

ここでは起業するというのを時価総額で言えば数百億、数千億、数兆円規模の会社に成長させるということを指すこととします。この規模の会社を成長させるためには、チームやアイデアだけでなく時代の流れも重要です。運を掴むタイミングを図るのは経営者であるとすればそれもまた能力の一つです。

トレンドは何も自然に生まれるものではありません。ふわふわとした時代背景から世の中の流れる方向はある程度決まっていきます。例えば男女平等が進む現代において、10年後女性が現在より働きにくくなることはまずありません。

私はそうした大きな流れの中でより小さなトレンドを作り出すことは可能であると考えています。また、お金が今まで生まれなかったところに市場を作り出すことは起業家の役割であると思います。

Airbnbがカウチサーフィンと似たようなものだとすれば、あれ程に大きな時価総額にはなりません。UberやLyftがヒッチハイクのオンラインサービスであるとすれば、あれ程に大きな会社にはなりえません。

だから、一見儲からなさそうでも、そこに市場を作り出せるかどうかは、経営者の腕とそれを実現する技術の発展に大きくかかってきます。これは自らの知力と人間力と時間というものをレバレッジした投資にほかなりません。

投資家もまた時代の大きな流れを掴むことが仕事

投資家は起業家ほどのアイデアやリーダーシップは必要ありません。しかし、自らが時代の流れを捉えそこねてしまえば当然に資金が失われてしまいます。

起業家は時代の流れを見極めるためには目の前のタスクや自分の信念だけにとらわれることなく、市場を見つめなければならないことを先程述べましたが、投資家もまた起業家を通して時代の流れを汲み取るという考え方が必要です。

また、投資家は起業家のように一つの事業にコミットする必要がありません。すなわち投資という視点は複眼的に投資家を通して時代の流れを見ることになります。

ですから起業家も投資家の持つことで、自分のエゴや一つの視点だけにとらわれずに将来来るべき市場、そして時代の流れに対する観察力を養うことができるのではないかと考えています。

私は他のスタートアップ起業にもエンジェル投資を実施しています。自分が有望だと考えたスタートアップに投資をさせてもらうことで、自らの目が長期的に見て正しいのか、そして誤っていた場合は何を見落としていたのか反省することができます。

そして、よりテクニカルには投資家として資金調達を実行している先輩起業家の事業報告書を拝見することができるのです。

その中でどのように経営を行っているのか、その結果どうなったのかを投資家向けに丁寧に説明していただけるというのはとても勉強になります。だからこそ、起業家でありながらエンジェル投資家であるべきだと考えています。

起業家と投資家を両方経験して学べることは2倍以上

実はエンジェル投資家には元起業家の方がたくさんいらっしゃいます。彼らは自身の経験から新しい起業家を応援するために投資家として資金を供給していることがあります。

これまでエンジェル投資は最低でも100万円から250万円ほどの資金を、まだトラクションも少ない若手起業家のビジネスに投資するわけですからとても高いリスクを追うことになります。しかし、時代は少し変わってきました。

アメリカではエンジェル投資家が一般投資家から資金を集めてファンドを運営することで一口10万円程度からエンジェル投資が可能になるオンラインサービスが複数運営されています。エンジェル投資は不動産のように価値が測定できないため、必ずしもプロだからといって高い実績をだすとも限らないところがまだあります。

日本においても匿名投資組合を用いたエンジェル投資スキームが出来上がりつつあります。Fundinoなどで募集されている案件の中には、VCなどから調達は受けなかったものの、足腰の強いビジネスを運営しているところもあります。

ですから、こうしたサービスを使って自分の事業以外のビジネスモデルを投資家というインナーサークルから観察させてもらうのはとても勉強になります。

起業家としてはエンジェル投資家やVCから投資を受けることができなかったとしても、こうした一般投資家から資金調達できる環境が整ってきているのです。こうした背景からも起業家も投資家としてそのサークルに入ってみることで、実際どのような問題が起こりうるのかを学ぶことができる利点があります。

起業家でありながら冷静に市場を観察する投資家としての目線を忘れないようにすることは一つ、自分をスタートアップ界隈で高めるために必要なことなのではないでしょうか。

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