- 会計でキャリアアップを目指している人
- 外資系企業でのキャリアを積みたい人
- 将来的に海外で働きたい人
- キャリアチェンジで会計を目指したい人
分野により資格はなくても良いが、転職の際はほぼ必要
私は国際税務のコンサルタントとして会計事務所で働いたことがあります。
その経験から外資系企業や大手会計事務所の会計職にはどんな資格が必要か知りました。
当然ですが、大手会計事務所や外資系企業の経理・会計職・会計コンサルタント、
ファイナンシャルアドバイザリーを目指すのであれば会計のスキルが必要です。
大手企業での経理経験がある人は当然アピールに有効ですが、
やはり公認会計士や税理士、戦略コンサルティングファームなど、
会計に詳しい候補者はたくさんいるので、
それだけではあとひと押しのところでポジションを逃してしまいがちだと思います。
そんなときに資格があるのとないのとでは信頼感が違うだけでなく、
採用側がその候補者を強く押す一つの根拠になります。
私は新卒で会計を全く学ばないままに会計事務所に入所しました。
新卒採用で所属は税務、国際税務でかつ業務では英語が必要なため、
会計以外の専攻からもたくさんの人が採用されていました。
普通は会計事務所系であれば税理士の科目合格くらいは最低要件になっているのですが、
新卒採用であれば部門により専門的な知識は求められないところもあります。
しかし、経験者採用や転職となるとやはりそれだけでは弱いのです。
特にグローバルな会計事務所や外資系の企業で、経理職ではなく、
マネージャー、コントローラーレベルの人材の採用となれば、
当然、経験と資格がなければ説得力はありませんので難しいと言えます。
英語×会計でスキルを伸ばすなら米国公認会計士一択
それでは、BIG4などの会計事務所系ファームや外資系企業の会計職で一番有利になる資格が何かと考えると、やはり米国公認会計士(USCPA)の資格でしょう。
私のいた法人でも、第二新卒を除く中途採用者はほぼ米国公認会計士を持っていました。
中には米国税理士(EA)や米国公認管理会計士を持っている人もいましたし、
当然日本の公認会計士や税理士資格を持っている人もいます。
ことグローバル企業の会計転職となるとやはり米国公認会計士が一番有効な資格です。
海外とのコミュニケーションが必要でかつ会計の基本的な知識があると証明するには、
日本の会計系資格では不十分です。
他にはBATICがおすすめです。TOEICと同じくポイント制のため受験料が無駄にならず、
また簿記よりも基本的な事項を確認する内容になっているためUSCPAにも活かせます。
せっかくですから最初から米国公認会計士を目指すのも良いと思います。
専念すれば最短で半年ほどで合格できます。
またもう一つのメリットとして働きながらでも科目合格制であることから、
運の要素や過度な負担を抑えて取得することができます。
USCPAを勉強するのに英語はあえて学ぶ必要はない
まず、米国公認会計士を勉強するのに予備校に行くことをおすすめします。
理由は「大学で会計系の単位を取る必要があるから」です。
大学で会計を専攻していない場合は、アメリカの大学の通信教育で会計系の授業を取り、
単位を取らなくては受験資格が得られません。
そしてその必須単位はアメリカの州によって基準が異なります。
例えばニューヨーク州では「総合単位120単位と4科目の必須会計科目」となります。
上級クラスの財務会計、管理会計、税法、上級クラスの監査の4科目です。
ニューヨーク州は基準が低いのでプロアクティブという予備校ではおすすめされてます。
しかし、アメリカ在住で監査経験が必要なため、資格は手にはいらないことに注意です。
予備校に行けば、こうした情報提供や大学の斡旋もしてくれますので、
比較的スムーズに受験資格を得られると思います。
よく、「米国公認会計士の勉強をするのに英語を勉強する必要があるのでしょうか」という質問を受けますが、これについてはTOEIC700点ほどあれば理解できると考えてます。
会計の単語は独特なので最初は慣れません。私も日本の簿記2級でかなり苦しみましたが、実は英語の会計単語のほうが理解しやすいことに気づきました。
まずは出てきた単語を何回も見て少しづつ覚えていけば良いと思います。
途中であまりに英語がネックになっていると判断した場合にだけ英語を学習しましょう。
簿記学習経験がない人は簿記3級からUSCPAへ
「米国公認会計士は簡単」という人がいますが前提知識ナシであれば難しいです。
日本の公認会計士資格がある人にとっては英語さえ克服できれば合格できます。
問題が基礎的なため簡単という人もいますが、正直監査もUSCPAレベルで十分です。
日本の監査法人でもUSCPAホルダーが米系の投資銀行など、外資系の監査のため、
積極的に採用されています。人材も不足気味でいつでも歓迎されてます。
よって、英語がそこまで苦手でなければまずはUSCPAという選択はアリです。
そのまま監査経験を積んでもいいですし、移転価格やFA系ファームも候補に上がります。
また事業会社で会計やファイナンス系の部署に転職しても良い。
日本の公認会計士と同じくらいの待遇でかつ、グローバルなキャリアが選択可能です。
将来的にそういった監査法人への就職も考えている方も多いと思いますが、
まず、簿記の概念を知らないという人はまず簿記3級から学習して、USCPAの勉強でも、
決して遠回りにはならないと思います。
英語が苦手でない方で会計経験がない方は前出のBATICを勉強することをおすすめします。
数ヶ月みっちり学習する時間ができればアカウンティングマネージャーは目指せます。
簿記経験がある人はUSCPAを直接勉強すべし
すでに経理経験が数年はある人や、簿記2級を持っている人は直接USCPAを勉強することをおすすめします。
米国公認会計士の予備校はいくつかありますが、大抵の予備校では「英文会計基礎」や「英文会計中級」などBATICレベルの講義がありますので、それを導入科目として履修すれば基礎的な単語については学習できます。
会計の勉強をする際には、かならず「基礎的な学習から始めること」が大切です。
何事も基礎から学習するのは当たり前かもしれませんが、会計は用語や考え方に馴染みが無いと、まったく理解不能なまま先に進んでしまうことがあります。
私自身、日本の簿記検定試験の勉強で「2級くらい簡単」というネットの書き込みを信じて学習をはじめましたが、あえなく撃沈したことがあります。
USCPAの勉強においてもこれは当然当てはまりますので、まずはBATIC等の勉強から始めるか、予備校が用意する英文会計の導入科目を学習することをおすすめします。
日本の簿記試験を思い出すこともできて一石二鳥です。
まとめ
外資系企業で経理職もしくは会計系のファームに転職するなら、
実務経験に加えてUSCPAを合格することがおすすめです。
確かにハードルは高いですが、日本の公認会計士に合格するよりは、勉強もしやすく、
内容は実践的でかつ英語力があるとみなされかなりアピールになります。