ライフ・考え方

戦略とそれ以外のコンサルタントでは求められる目標が全く異なる

コンサルと一言で言っても戦略と専門は全く違う

自分はプロフェッショナルファームで働いている。
専門職に近いコンサルタントを名乗っている。
専門的なため市場価値もまあまああるようで、それなりのフィーを貰える。

ある日いわゆる戦略コンサルタントとして働いている人間に出会った。
有名な戦略ファームの出身であった。
どんなことをやるのかと訊ねたら、ケース面接でもやってみるかと聞かれた。

話には聞いたことがあったし、ロジックを組み立てるのもそこまで苦手ではない。
そこでひとつ問題を出してもらった。

「ある自動車メーカーの海外売上を5年で倍増させるためにはどうすべきか」

海外売上を5年で2倍にする。直感的には達成することは難しいと思うが、
そんなことは聞かれていない。

私はこう考えた。売上=数量×価格なので、数量を増やす施策と価格を上げる施策が必要。
数量は地域の拡大と販売セグメントの拡大、価格は高付加価値化によって達成できると。

 

この回答では不十分だそうで、不合格だ。

理由は、掘り下げが2段階で終わってしまっているから。

フレームワークが一切ないまま終わっているので具体的な施策は出てこない。
コンサルタントとして次に何をすれば良いのかを提示できなければ価値はないのだと。

確かに言われてみれば中身のない分析である。

会社の利益を生み出す方向性を考えるのが戦略

フレームワークは論理的に考えるヒントになる。
なにも難しいフレームワークを駆使する必要はない。
4Pや3Cといった基本的なフレームワークでも十分で、あとはどれだけ掘り下げられるか。

そう言われたのだが、言われても掘り下げることすらできないのだ。
思考停止状態で問題の分解すら満足にできない。

こういった問題は慣れだと言われたし、そうであると思う。
しかしこうした問題を考える訓練をせずにただ業務をこなしてきた自分は、
本当にコンサルタントなのかと考えざるを得なかった。

プロフェッショナルだからといってコンサルタントとしての素質があるわけではない。
戦略コンサルティングとプロフェッショナルファームの「先生」ではこうも違うのかと。

戦略コンサルタントというのは専門家ではない。
経営者が決めるべき、会社が利益を出すための仕組みとなる根拠を考える仕事だ。

マーケティング、営業、そして会社の機能の源泉である組織を戦略的に動かす。
経営の意思決定は経営陣が下すが、その決断の根拠となる資料は戦略コンサルが作るのだ。

そして、ITコンサルや業務コンサル、そしてプロフェッショナルは管理の専門家だ。
システムが使いやすいか、業務は適切に遂行されているか、
法律や税務的なリスクが無いかといった管理業務のプロフェッショナルだ。

どれが偉いわけではない。どれもなくてはならないコンサルタントだ。
しかし、会社という組織を存続させるために最も重要なのは利益を出すための戦略である。
その意味において戦略コンサルタントが最も価値創造的である。

常日頃から自分の頭がつかえてないことには辟易としているが、
ここまで打ちひしがれ、刺激を受けたのは久しぶりだ。

就活・転職の際はコンサルタントという響きに騙されないこと

新卒でも転職でも、コンサルティング業務とひとくくりにしてはならない。
経営コンサルティングも中小と大企業では違う。
資金繰りを見るところからやるコンサルティングもあれば、
事業の方向性を決める戦略性の高いコンサルティングの仕事もある。

ただ自らの経験から言わせてもらえば、
お勉強が得意でサラリーマン気質が強ければプロフェッショナルファームが向いている。
弁護士事務所や会計事務所がそうしたプロの集まるファームである。

一方で、ロジカルでフレームワークを駆使した思考が好きなのであれば、
戦略ファームやブティック系経営コンサルティングのファームが向いている。

フレームワークは訓練と慣れの問題なのである程度、お勉強ができる人なら、
ちゃんと対策すればどちらでも行けるのだが、自分の志向として何がしたいのか、
そしてどの分野なら強みを活かせそうかはよくよく考えるべきである。